ABC177 参戦記
2020.8.29 21:00-22:40に開催されたABC177に出場しました。
成績と簡単な感想
ABCEの4完 99分49秒 9ペナ でパフォーマンスは1053、レーティングは前回745から+35で780となり、Highestを更新しました。
極端に簡単な問題がなくBCあたりに歯ごたえのある問題が入っているセットで早解きが苦手な私にはチャンスの回でした。もっともDの解法がすぐに見えず、Eに賭ける選択をしたのになかなかEが解けず苦戦しました。終了直前にEを通せたときは感激しました。
Eを通せてないとまたもや冷えていたところなので薄氷を踏む思いです。
まだまだ緑の実力に達していません。
A問題
シンプルな計算問題で簡単ですが丁寧に確認して提出しました。
1分55秒。
B問題
部分文字列の不一致数を全探索でカウントする問題ですがB問題では相当難しい部類の問題だったと思います。
しかしdifを見ると125でみんな解けているので参加者全体のレベルが相当上がってきていることを実感します。
バグもなく一発でスムーズに書けました。
経過時間9分10秒、本問の回答時間7分15秒はかなり好調でした。
C問題
経過時間32分34秒。本問の回答時間23分24秒。
2ペナを叩きもたつきました。
最初に愚直解で提出しTLEを食いました。
出す前に考えなければいけません。
計算量を減らすのに最初に全部の和をとっておいて、引いていく方針を思いつきました。
long long ans=0; sum-=A[0]; for(long long i=0;i<N-1;i++){ ans+=A[i]*sum; ans%=1000000007; sum-=A[i+1]; }
この方針は間違ってはいなかったのですが、提出するとオーバーフローしてWAがでました。
このオーバーフローの解消がどうしてもできず、最後は禁断の多倍長で殴って無理に通しました。
今は反省しています。
C問題のWAしたコード
#include <bits/stdc++.h> using namespace std; int main(){ long long N; cin>>N; long long A[200010]; long long sum=0; for(long long i=0;i<N;i++){ cin>>A[i]; sum+=A[i]; } sum%=1000000007; long long ans=0; sum-=A[0]; for(long long i=0;i<N-1;i++){ ans+=A[i]*sum; ans%=1000000007; sum-=A[i+1]; } cout<<ans<<endl; return 0; }
検討
改めて変数の値を丁寧に確認していくとA[i]が大きな値のときにmodをとって引き算すると負になることがわかりました。
これは考えてみると当たり前のことです。
modの引き算のときに負になったらmodを足す、というところができていませんでした。
足し算、掛け算は簡単ですが、引き算は負になったらmodを足す、割り算は逆元を掛けなければなりません。
書き直したコード
modの引き算のところを修正して無事にACしました。
#include <bits/stdc++.h> using namespace std; static const long long MOD=1000000007; int main(){ long long N; cin>>N; long long A[200010]; long long sum=0; for(long long i=0;i<N;i++){ cin>>A[i]; sum+=A[i]; } sum%=MOD; long long ans=0; sum-=A[0]; if(sum<0){ sum+=MOD; } for(long long i=0;i<N-1;i++){ ans+=A[i]*sum; ans%=MOD; sum-=A[i+1]; if(sum<0){ sum+=MOD; } } cout<<ans<<endl; return 0; }
更に検討
解説で紹介されていたA[i]^2の方法はなるほどです。
また解説の解法でsumを足していく方法なら私の躓いた減算の罠に陥らなくて済みます。
D問題
コンテスト中はunion-findを使って一発で解けることに気づきませんでした。
5分ほど検討してうまい解法が思いつかずE問題に進みました。
確かに最大の友達グループのメンバーをそれぞれ別のグループに分ければ題意にこたえているのは見やすいところです。
union-findは知っていたしライブラリももっていたしコンテストで使ったこともありましたが、単に知っているのと適切な問題で適切な使い方ができるのとは距離があります。使いこなせて初めて自分のものになること、使いこなせる技術を増やしていくことを心がけます。
自分のライブラリーにはunion-findのサイズを出力する部分がなかったのでアップデートしておきたいと思います。
※ 追記
改めて解いて5分ほどでACできました。
次は使えるはず。
E問題
最近はほぼ毎日水difレベルを解いており、多少の難しい問題も時間があれば解けるチャンスがあるはずだ、という気持ちになっています。
これまではコンテスト中には怖くてE問題あたりにはなかなか手が出せなかったのですが、今回はDの解法がすぐに見えなかったこともあり、E問題に賭けてみることにしました。
問題は数列のセットが ①いずれの要素も互いに素か ②すべての要素の最大公約数が1か ③すべての要素の最大公約数が1でないか を判別して回答する、というものです。
②、③はgcdを使って判別すればよいので簡単ですが①をどうするかが問題です。
要素数が最大100万なのですべてのペアについてgcdを判別していくのでは到底間に合いません。
ちょうど最近数学ガール・フェルマーの最終定理(
https://www.amazon.co.jp/dp/4797345268/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_hJWsFbA9JG4HC
)で互いに素とか素数指数表現とかを勉強したところでした。各要素について素因数分解してその要素をmapに入れて、要素数が2以上になったら約数が重複していると判別する、という方針を立てました。
最終的にこの方針で解けたのですが、素因数分解を高速に行うところでいろいろつまづいて時間がかかってしまいました。
素朴にやっても間に合うかと思ったのですがTLEします。
i*i<=Nまでを判定する方針とし、更にiは2以上の場合に奇数だけを判定する、先に互いに素でない要素を発見したらブレークする、などの対応をとって間に合いました。
特に先に互いに素でない要素を発見したらブレークする、というのは要素数が最大100万ある中で素数は7万8000個ほどなので大切なポイントかと思いました。
最後は平方数の場合にmapに2回入ってしまう問題に気づき、この部分を修正してクリアー。
書き上げて時計を見ると10時39分を回っています。
提出時間が10時39分49秒。数秒のジャッジをへてACの表示がでた直後にコンテスト終了のお知らせがでました。
復習など
E問題はTLなどでエラトステネスの篩をつかった高速判定法に言及されていたので、ほかの方法も検討しておきたいと思います。
D問題は自力で一度といておきたいと思います。